G.B「主よ、お許しください……主よ、お許しください。」(涙声)
「主よ、この哀れな罪人をお許しください。
私は多くの無辜の民の血を流しました。
どうか私の罪をお許しください。
私の魂を煉獄に落とさないでください。
御国のうちにお迎えください。」
「主よ、お許しください。
仕方が無かったのです。
あのまま、「あの男」を放置するわけにはいかなかったのです。
もし放置すれば、必ずやもっと多くの民人の血が流れたに違いないのですから。」
「主よ、お許しください。
私はむしろあなたのためにやったのです。
あの忌まわしき邪教徒どもを、あなたの正義と栄光の前にひれ伏させるために。
そう、私こそがもっとも忠実なあなたのしもべなのです。」(次第に興奮してくる)
「主よ、主よ……なぜ何もおっしゃらないのですか。
なぜ沈黙しておられるのです。
主よ。……なぜ私を裁かない。」(いらだたしげに)
「そうか、わかったぞ。主などいないのだ。
神は死んだのだ。
ならばせいぜいその「名」を使わせてもらうとしよう。」(絶叫する)
「神なきこの世にはただ「力の正義」があるのみ。
強い者が勝ち、支配する、その力こそが正義なのだ。
わが国の力こそがこの世の正義。
すべての者はその正義の前にひざまづくのだ。
わが国こそ、わが党こそ……いや、この私、G.Bこそが「正義」そのものなのだ。
同胞たちよ。私のために喜んで死ぬがいい。」(哄笑)
(突然、冷静さを取り戻す)
「嗚呼、何ということを……主よ、許し給え。
主よ、主よ、お許しください……」
(以下、際限なく繰り返す)