住職日記   真宗大谷派 西念寺
 

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住職日記
  ~ご院家さんのひとり言(不定期更新)

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異説・釈尊降誕伝説

 
            ― 天から降り注いだ二筋の雨       
 
4月8日は、仏教の開祖・釈尊(仏陀・釈迦牟尼世尊)がお生まれになった日と言われています。
仏生会、降誕会、花祭り等の名称で各地で祝われていますが、その誕生は生まれた直後に七歩歩いて天地を指さし、「天上天下唯我独尊」(『大唐西域記』)と述べられ、天から甘い雨が降ったといった「伝説」に彩られています。
上記のURLは、大谷大学名誉教授の吉元信行先生が2014年4月8日、ご自身のFacebookへ投稿されたもので、文中にはご著書『人間仏陀 仏跡 足跡と思想』(文栄堂、1991年)に記された釈尊誕生の物語が引用されています。
この中に、
>菩薩と菩薩の母への尊敬のため、空よりふた筋の水が降り注ぎ菩薩とその母の体を元気づけた
という記述があります。
「菩薩」とは生まれたばかりの赤子ゴータマ・シッダールタ、つまり成道前のまだ悟っていない、仏に成る前(菩薩)の段階の釈尊であり、その母とは釈迦族の王妃マーヤ(摩耶)夫人です。
空から二筋の水が降り注いだことの意味を吉元先生は、
>今日でも、インドでは子どもが生まれた時、頭から水を注ぐという。
王が王位を継ぐ時に、頭に水をかける儀式がある。
今日日本の仏教でも、「灌頂」という儀式があるが、このことが起源である。
と解説しておられますが、この天から注いだ二筋の水が冷水と温湯であったとする伝承もあるようです。
>すると天から、月の光のように清らかな二条の、寒・暖の二力をそなえた雨が流れ出でて、彼の身体に触れる幸せを得ようとばかりに、その美しい頭の上に落ちてきた。                                 (中公文庫『大乗経典13/ブッダ・チャリタ(仏陀の生涯)』P13)
この二筋の雨(水)とは、あたかも天が釈尊の誕生を祝福したもののように見えますが、果たしてそうでしょうか。
 
 
 
 
 
【国宝 「銅造・誕生釈迦仏立像」(東大寺藏)】
 
生体AIによると、冷水と温湯を交互にかけることは、医学的には「温冷交代浴(または交互浴)」と呼ばれ、 現代では主に「疲労回復」や「自律神経の調整」を目的とした健康法として知られていますが、古くは民間療法や特定の健康法において「体を活性化させる(蘇生させる)手段」として語られてきた側面があるそうです。
『ブッダ・チャリタ』には「寒・暖の二力をそなえた雨」とありますし、吉元先生の投稿にも、二筋の水が「菩薩とその母の体を元気づけた」とあります。
このことから推するに、釈尊の出生は実は大変な「難産」だったのではないでしょうか?
その証拠に母マーヤ(摩耶)夫人は産後1週間で亡くなっています。
ルンビニーの園で仮死状態で生まれてきた赤子に周囲が必死で蘇生術を施し、やっとのことで赤子は息を吹き返した。
私はそんな情景を想像してしまうのです。
「自分の誕生が母の命を奪った。
 自分が生まれて来なければ母は死なずに済んだのではないか?」
このことが少年シッダールタの心に暗い影を落とし、その後の「出家」へと繋がっていったのではないでしょうか?
少年時代の釈尊は内省的で物静かな、物思いに耽りがちな王子であったとも伝えられています。
王族として出席した農耕祭の折、耕された土から顔を出した虫が小鳥に食べられ、その小鳥がより大きな鳥に襲われる「食物連鎖」の様を見て、
「哀れ、生き物は皆食(は)み合う。」
と王族の義務を途中放棄して立ち去ってしまったという逸話からも、よく言えばデリケートな、悪く言えば線の細い少年であったとも思われます。
後年、釈尊は人間が誰一人避けることのできない苦しみ(四苦八苦)の1つとして「愛別離苦」(あいべつりく、愛する者と別離しければならない苦しみ)を説かれます。
また、それらの苦しみの原因には「諸行無常この世のすべてのものは移り変わり、生じたものは必ず滅していくの現実があることを見抜かれました。
「愛別離苦」の哀しみと「諸行無常」のこの世の厳しさ・苦しさを、誰よりも強く深く感じながら育っていった少年ゴータマ・シッダールタ。
それこそが後の大聖、仏陀・釈迦牟尼世尊だったのではないでしょうか?
 
(4月8日)  


 

イベントの御案内

 
―― 第12回米子歴史絵巻「米子怪談」 ――      
 
来る3月21日(土)、当寺を会場として「第12回米子歴史絵巻・米子怪談」が開催されます。
3月21日(土)18:00開演(17:30開場)
入場無料(要申込・抽選50名)会場 西念寺
【お申込み】締切:2月23日(月・祝)
お申込みは、WEBフォームまたはお電話0859-22-3236・米子市公会堂まで】
※西念寺へのお問い合わせはご遠慮ください。
 


 
 
(2月16日) 
 

 【 追 記 】

3月21日(土)夜、西念寺を会場として行われました米子市公会堂・市立山陰歴史館主催「第12回米子歴史絵巻・米子怪談」、盛況のうちに終了しました。
(55名の定員募集に対して、なんと163名もの応募があったそうです。)
ご来場の皆様には、さぞ「背筋の凍る」ひと時をお過ごしいただけたことと存じます。(笑)
なお、公演の模様は5月下旬頃、米子市公会堂のYouTubeチャンネルで公開される予定です。
スタッフ、出演者の皆さん、ご来場の皆様方、長時間にわたりお疲れ様でした。 
 
 
 
《公演終了後、演者のお二人と》 
 
 
(3月21日)  


 

謹 賀 新 年

 
 
ともし火を 高く掲げて わが前を
   行く人のあり 小夜中(さよなかの道
                  (甲斐 和里子)
 
 
 
 
   旧年中の御厚誼に深謝しつつ、本年も宜しくご指導の程お願い申し上げます。
 
 (2026年1月1日)

 
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