視聴覚ライブラリー 真宗大谷派 西念寺  
 
 

明道小学校「町探検」(2004.6.18)
※明道小学校2年生の課外授業です。

 
 
 
 

小学生がやって来る……(^ ^;)

 西念寺の境内に松の古木があります。
 樹齢不詳。
 あまりに古くて内部が腐って空洞になっているのですが、数年前に軽石を焼いた灰を内部に詰め、発泡樹脂で穴をふさぐという処置を施して現在に至っています。
 盆栽の松がそのまま大きくなったような独特のシルエットで参拝の方の目を楽しませているのですが、今度その老松を50人ばかりの小学生が見学に来ることになりました。

  息子が通う小学校では、2年生のカリキュラムに、自分たちの住む町(商店、小山等)を見学する「町探検」という課外授業 (生活科)があり、その候補地を児童に尋ねたところ、息子が「僕んちに大きな松がある」と答えて、即決定となったのだそうです。
 

 

 担任の先生方を迎えての事前の下見(6月8日)も終わり、

「後ほど、生徒からの質問事項をご連絡します。」
「ハイ、わかりました。」

ということでその日は終わりました。

 それからしばらくして「町探検」の数日前、息子が持ち帰った「質問事項」には、

     「さいねんじ

  どんなしごとをしているか?
  なぜさいねんじができたか?
  ほとけさま(ぶつぞう)の数?
  ほとけさまの大きさ?……」

 …………(^ ^;)
 お〜い、松はどこへいっちゃったのかな?松は〜?
 どうしてお寺にある「松」の探検が、松のある「お寺」の探検になってしまったんだ〜〜?

 おまけに先生からのお手紙にはとどめを刺すかのごとく、

「小学校2年生にもわかるようにお話してください。」

 …………(^ ^;;)
 ……また眠れなくなってしまうじゃないか〜〜〜。(泣)

(6月15日)

 
 
 

小学生がやって来た……((((^ ^;;)

 かねてからの予定通り、明道小学校の2年生の子供たちが西念寺を訪れてくれました。
 引率の先生と近所から通っている児童(リーダー)2名に率いられた4グループ、総勢48名。

 当日はあいにくの小雨模様でしたが、子供たちは雨合羽を着込み、学校から約30分の距離を歩いて元気に到着してくれました。

 
 
 
     
 本堂にあがって挨拶を交わした後は、さっそく質疑応答。

リーダー「ハイ、では、○○君、質問して下さい。」
子供「どんなしごとをしていますか?」
私「え〜と、お釈迦さまの書いたお経を読んだり、説明したりしています。」

と、事前の質問にはあらかじめ答えを用意していたのですが、

(以下、子供たち)
「なあ、『せ』(ひらがな)ってどう書くんだっけ。」(おい)
「先生〜、もう書くところ(メモのスペース)がありませ〜ん。」
「先生〜、もっと書く欄大きくしとかなくっちゃ〜。」(おいおい)

 この他、「本堂になぜ椅子や黒板が置いてあるの?」とか、「あそこ(欄間の彫刻)の花は何?」とか予定にない質問が続出。
 中には、

「あれ(本尊)はなんていう名前のほとけさまですか?」
「阿弥陀さま、阿弥陀如来というほとけさまです。」
「なんであんな手の格好をしているんですか?」(ドキッ)
「あ、あれはね……ほとけさまの手の格好にはいろんな意味があってね、……(以下、略)」(汗)
「それじゃあ、あのほとけさまの手の格好はどんな意味があるんですか?」(ドキ、ドキッ)
「ええっとね……みんなを幸せにしてあげたいな〜、幸せな国に連れて行ってあげたいな〜という意味の手の格好で……、ほとけさまがなんで立っているのかというと〜……(同じく略)」(大汗)

と、こちらがドキッとするような質問を、何げなく聞いてくるから本当に子供はコワイ。
 しかも、答えながら、先生の「小学2年生にわかるように」のひと言が重くのしかかって……
 (プ、プレッシャーじゃ……)

 
 
 最初のグループが到着したのが午前10時。
 最後のグループが出発したのが午前11時30分……
 (ひとグループにつき所要時間約20分強、しかも途中休憩なし)

 疲れたけど、楽しかったよ。ありがとうね。
 おかげで「日記」のネタもできたし……(爆)

 大汗流して話したお坊さんの話が君たちの心にほんの少しでも残ってくれるとうれしいな。
 たとえそのほとんどが、次の目的地(駄菓子屋)での買い食いの間に吹っ飛んでしまったとしても……(笑)

(6月18日)

 
 
 
 

小学生がやって来た。(その後日談)

 「台風一過」(おい)……じゃなくて、明道小学校の児童が「町探検」で訪ねて来てくれてからほぼ1ヶ月。
 2年生全員から素敵な「お礼の手紙」が届きました。

 
 
 先生からの添え状には「子供たちからの拙い手紙」とありましたが、何の何の。
 その「拙さ」が「微笑ましい」と言うか、「いい味出してる」と言うか……
 「これ本当に2年生が書いたの?」というぐらいのしっかりした手紙もあるかと思えば、「2年生ってまだこんなものなんだ」というのも あって、感心したり、涙が出るほど笑ったり。
 坊守と2人であの日のことを思い出して、あらためて、

「楽しかったね〜」
「楽しかったな〜」

と頷き合った次第。(「お手紙」の詳しい中身までは内緒)

 そう言いながら2人ともまず真っ先に息子の「手紙」を捜していたのは……、まあご愛嬌。
(どちらも負けず劣らずの「親ばか」というわけで……)

  でも、あの日は確かウチの他に、駄菓子屋さん、パン屋さん、木工ロクロ店にも行ったはず。
 「町探検」はあの日1日だけとは限らないし、そのすべてに「お礼の手紙」を書くのだから、

 『小学生やっているのも結構大変』

なんだろうね。

 みんな、素敵なお手紙をどうもありがとう。

 でも、1つだけ覚えておいてね。

 うちのお寺(西念寺)の「ほとけさま」(ご本尊)は、
「おしゃか(釈迦)さま」でも、「おじぞう(地蔵)さま」でもなくって、

あみだ(阿弥陀如来)さま

なんだよ〜(笑)

(7月13日)


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